ニュートンの海

2009/11/22 09:29


 万有引力を発見したニュートンは、「ニュートンの海」としばしば喩えられる有名な言葉を残している。わたしには、これがとても美しい詩のように思えてならない。
 以前に「人間原理」についての考察を試みたが、人間原理ダーウィンの進化論がもたらした弊害のひとつに神秘や宗教に対する価値観の下落があると考える。
 それは、古から日本人が慣れ親しんだ無常観(祇園精舎の鐘の声沙羅双樹の華の色・・・)やSFでいうSOWさえ否定する、ひとつ扱いを間違えれば人間自身の存在意義をも失わせてしまいかねないほど強烈な副作用を持った劇薬なのかも知れない。

 科学と宗教は、ときに手を携え、ときに反目しあい、そしてときには相手を利用しながら歩んできた。ニュートンの時代は、まだお互いに手を携えておられたある意味では大変に良い時代だったのではないだろうか。


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I do not know what I may appear to the world, but to myself, I seem to have been only like a boy playing on the seashore, and diverting myself in now and then finding a smother pebble or a prettier shell than ordinary, whilst the great ocean of truth lay all undiscovered before me.

 

Sir Isaac Newton


 
 
私は、世間からはどう思われているか知らないが、私自身はといえば、目の前に未だ知られざる大いなる真実の海が横たわっているというのに、海辺ですべすべした小石や美しい貝殻を見つける砂遊びに夢中になっている頑是無い子供のようなものにすぎないと思っている。