今日の産経から

2009/11/29 00:42


今日(11月28日)の産経新聞。「昭和正論座」は非常におもしろかった。「夢想家が権力を握るとき」と題する昭和51年12月1日に掲載された京大教授会田雄次氏の論稿である。
この中にアーミッシュ教徒について触れた部分がある。ご承知のようにアーミッシュの人々は、アメリカで18世紀そのままの生活をしている。会田氏は、この人々を批判しているわけでも賛美しているわけでもない。氏は、わたしなりにダイジェストして言えば、自分勝手な理想を唱えるなら、アーミッシュの人々のように一般社会と隔絶した地域でおやりなさいと述べているのだ。
わたしは、産経は非常にずるい、いや賢いと思う。なぜなら、わたしのような単細胞生物に誘導尋問をかけているからである。なぜ、いまどき33年前のこの論稿なのか。答は、簡単である。例の友愛というやつだ。友愛という、誰しも真正面からは否定できない日本国首相の理想主義を哂わせるために、この随分と古くはあるが至極まっとうな意見を掲載したものと考えて間違いない。
CO2を25%、しかも1990年レベルと比較して削減することは、地球が長期的に見て温暖化しているかどうかわたしなどにはよく分からないが、ツバルなどの国の人にとっては理想的であるかも知れない。「日本列島は、日本人だけのものじゃないんですから」という主張は、世界主義という理想には叶うものかも知れない。しかし、鳩山首相。わたしは、この欄を読んだ多くの読者と共に声を大にして訴える。

わたしたち1億3千万の日本人をあなたの理想主義の犠牲にしないでいただきたい。あなたの理想は、あなたの奥様と一緒に金星にでも行って実現していただきたい。